風力発電の基礎知識(構造・しくみ)その2

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環境シンボルとしても注目度の高い風力発電の仕組みや、構造、設置方法などを紹介しています。自作される方は必読です。
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風力発電

風力発電についてその2

1.風のエネルギーとパワー
2.風力発電の効率
3.風力発電の特徴
4.風力発電システムの構成
5.設置環境の観察
6.風力発電機の機種選定
   

4.風力発電システムの構成

 

 風力発電システムは、いくつかの機器から構成されます。
ひとつの代表的な例として、風力発電機によって発電された電力をバッテリーに蓄電(充電)し、バッテリーの直流電源をDC-ACインバーターでAC100Vに変換して、照明器具などのような負荷を接続して活用する際の、ごく単純なシステムについてご紹介します。

風力発電システム図
 
上の略図のように、風力発電システムは、風力発電機本体の他、支柱やバッテリー、接続箱、レギュレータ、DC-ACインバーター、負荷機器等の機器類から構成されているが分かります。
 次に、これらの機器のそれぞれの役割と具体的な接続方法について見ていきましょう。

風力発電システム詳細


(1)接続箱
 風力発電機とバッテリーの間に、通常は接続箱を入れます。接続箱は、単なる箱(端子台)ではなく、発電量を監視するための電流計と、風力発電機に電磁ブレーキをかけるためのブレーキスイッチ、それから安全のためのヒューズが装備されています。風力発電機からの出力を(バッテリー側から切り離して)短絡させることで、電磁ブレーキをかけることが出来ます。この原理は、発電機に無限大の負荷をかけることに相当します。ただし、台風などの強風時にブレーキをかけ続けると発電機が発熱して、焼けてしまう恐れがありますので、注意が必要です。
あると便利な接続箱は、必ずしも使用しなければならないわけではありませんが、電気工作がお得意な方であれば自作も可能ですので、なるべくご使用いただくことをお勧めいたします。

(2)バッテリー
 ディープサイクルバッテリーを使用します。特に風力発電では、風が吹かない期間が長く続く場合が多く、放電気味の状態がつづくとバッテリーへのダメージが大きくなりますので、耐久性に優れた信頼のおけるディープサイクルバッテリーを採用することが賢明です。
 バッテリー容量の目安としては、風力発電機の定格出力ワット数に合わせて、例えば100Wの機種であれば100Ah程度、400Wの機種であれば400Ah程度のバッテリー容量が確保されているのが理想です。少なくともこの目安の半分以上のバッテリー容量を確保することが望ましいとされています。

バッテリー製品ページはこちら バッテリー



(3)レギュレータ

 バッテリーが過充電にならないように余分な電力を投げ捨てる働きをするのがレギュレータです。ヒーターなどの投げ捨て用負荷を接続して使用します(専用の既製品には専用ヒーターが付属しています)。
充電電圧を制御するために、風力発電機とバッテリー間の接続を切断(開放)してはいけません。風力発電機が無負荷状態(フリースピン)となり、過回転によって破損してしまうからです。発電機は常に有負荷状態に保ち続けなければならず、過剰な電力は、別の投捨用負荷(ダミーロード)によって投げ捨てる必要がありますので、上記のようなレギュレーション方式が採用されています。
(*太陽光発電の充電制御方式とは異なりますので、ご注意ください。)


(4)DC-ACインバーター
 バッテリーは、直流電源ですので、負荷として交流機器を使用する場合には、DC-ACインバーターによって、直流(DC)を交流(AC)に変換します。
 バッテリー電圧に適合した直流用負荷を使う場合には、DC-ACインバーターは不要です。現在では、カー用品などとして、数多くの直流負荷製品が利用できますので、事前に検討しておくと良いでしょう。

DC-ACインバーター製品ページはこちら インバーター
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5.設置環境の観察

   前項で、風のエネルギーとパワーについて説明しましたが、では実際に、風力発電システムでは、どれくらいの電気が得られるのかについて考えてみます。
 風のエネルギーを最終的に電気エネルギーに変換して取り出すには、いくつかのステップがあり、その全ての各段階においてロスが生じますので、実際に使える電気量は、風の有するエネルギーの一部になります。
 まず、風のエネルギーを風力発電機のブレードによって回転の運動エネルギーに変換する効率についてですが、風の流れのもつエネルギーを100%利用しようとすると、風のもつ運動エネルギーをゼロにしてしまうことになります。これはすなわち、風力発電機によって風の流れを完全にせき止めてしまうことに他ならず、風の行き場が無くなってしまいます(つまり、風力発電機に風が一切流入できない状態です)。

 また反対の見地からしますと、前項の説明の通り、風のエネルギーは、風速の3乗に比例することから、出来る限り少しでも大きな風速の風が風力発電機を通過することが望ましいことも明らかですが、このためには、出来る限り風をスムーズに風力発電機の後方(風下側)に受け流してやる必要があります。とは言え、まるっきり後方にただ流してしまったのでは、エネルギーを回収することが出来ません。

 これらの単純な理屈からも、どの程度、風を後方にエネルギーを残したまま逃がしてやるのが効率的となるのか、ちょうど良いポイントがあることが想像できます。
 このことについて理論的に解析したところ、「風エネルギー」を「運動エネルギー」に最も効率的に変換するには、風力発電機の後方側風速が3分の1に低下するようにした場合で、その際の最大効率は、約59.3%であることが証明されています(これを「ベッツの法則」「ベッツ限界」などと呼んでいます)。

 上記の値は、理論的に導き出された理想上の限界値であり、実際の風力発電機用風車においては、20〜45%程度のエネルギー変換効率となっています。
(一般に高効率型の風車は、高速回転型となりますので、騒音や寿命、安全性を犠牲にせざるを得なくなる傾向があり、また設計点から外れるような幅広い風速域で柔軟な性能を発揮する目的などからも、必ずしも最大効率だけを優先した風車デザインが採用されるわけではありません。)
 その他、発電機や送電などによる電気的な効率、回転力の伝達などの機械的効率などがありますが、これらのエネルギー効率(変換効率や伝達効率)は、概ね80〜95%程度と上記の風車効率と比較して、ずっと大きな値となっています。

 以上から、風力発電によって得られる電気エネルギー量は、風車が受ける風エネルギーのおよそ10〜35%程度であるとされています。
 
 
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